【マッチレビュー】日本、オランダと2-2ドロー! 二度追いついた"森保ジャパン"を戦術で読み解く

やってくれました。
日本代表のW杯2026初戦は、優勝候補の一角オランダと2-2のドロー。
しかも、ただのドローではありません。
二度リードを許しながら、二度とも追いついた末の、価値ある勝ち点1です。
舞台はアメリカ・ダラス。約6万9千人が見守るなか、土壇場で歓喜が爆発しました。
この記事では、何が起きたのかを振り返りつつ、「日本はどう戦ったのか」を戦術の目線でやさしく読み解いていきます。
試合前の分析(プレビュー)はこちら → 【日本×オランダ】初戦をどう戦う?
まずは結果:後半に4ゴールが集中した

前半は、まさかの0-0。
ところが、試合が動いたのは後半でした。
- 51分 🇳🇱 ファン・ダイク(先制)
- 直後 🇯🇵 中村敬斗(同点)
- 64分 🇳🇱 サマービル(勝ち越し)
- 88分 🇯🇵 鎌田大地(土壇場で同点)
たった40分ほどの間に、4つのゴールが生まれる打ち合い。
リードされては追いつく——日本の粘りが光った後半でした。
前半:耐える日本、握るオランダ
正直に言えば、前半はオランダがボールを支配する展開でした。
日本は無理に前から行かず、しっかりブロックを作って我慢の守備。
オランダの前半のシュートは4本。
そのうち3本がセットプレー(コーナーやFK)からでした。
これは、プレビューでも警戒した「オランダのセットプレーと、ファン・ダイクの空中戦」そのもの。
つまり日本は、相手の怖さを分かったうえで、前半を0-0でしのいだわけです。
後半の入り:警戒した「そこ」でやられる
しかし後半立ち上がり、そのセットプレーから失点します。
グラフェンベルフの正確な配給を、主将ファン・ダイクがヘディングで決めて先制。
34歳の主将にとって、大舞台での記念すべきゴールでした。
警戒していた形だけに、悔しい失点。
——ところが、ここからの日本が違いました。
キーマンが結果を出した:久保と鎌田
失点のショックを引きずらず、日本はほぼすぐに同点に追いつきます。
口火を切ったのは、やはり久保建英でした。
右サイドでスペースを作って折り返すと、中村敬斗が低いシュート。
これが相手に当たってコースが変わり、ゴールへ吸い込まれます。
プレビューで「攻撃の生命線」と書いた久保が起点になった、見事な一撃でした。
ちなみにこのゴール、相手に当たってコースが変わった「ラッキーな1点」にも見えます。
しかし、ゴール前にしっかり人数をかけ、低く速いボールを送り込んだ"狙いの形"。
運も実力のうち、という言葉がぴったりの得点でした。
しかし、オランダもすぐに突き放す
ところが、優勝候補の底力もさすがでした。
64分、再びオランダの中盤グラフェンベルフが、右サイドへ正確にボールを展開。
受けたサマービルが中央へ切り込み、ファーサイドへ巻くように流し込みます。
技ありの一撃で、オランダが2-1と勝ち越し。
この時点では、多くの人が「やはり地力の差か」と感じたはずです。
土壇場、鎌田がもう一度立たせた
それでも、日本はあきらめませんでした。
最後の主役は——鎌田大地。
エース格の遠藤航を欠くなか、「中盤の最大の責任を担う」とプレビューで挙げた、まさにその選手です。
88分、終盤のコーナーから、味方のヘディングが鎌田に当たってゴールイン。
これもまた、体を投げ出してゴール前に居続けた者だけがつかめる1点でした。
ダラスのスタンドが、青く揺れた瞬間です。
戦術の核心:日本は「リードされてから強くなる」
この試合、いちばんの戦術的ポイントはここです。
日本は、ビハインド(負けている状況)になってから、攻撃が一気に活性化しました。
実は今大会の日本は、得点の多くが後半に集中しています。
つまり、
- 前半~リードされるまでは、しっかり守ってチャンスをうかがう
- 失点や時間経過で「行くしかない」状況になると、ギアが上がる
このしたたかさが、格上相手に勝ち点をもぎ取る原動力になっているわけです。
もう一つの勝因:相手の「守りの采配」を突いた
見逃せないのが、終盤の選手交代です。
リードしたオランダは、81分に守備的な交代を選びます。
ここで下げたのが、なんと2得点とも演出したグラフェンベルフでした。
この日のオランダの攻撃は、彼の正確なパスとサイドへの展開が、まさに生命線。
その"司令塔"を、リードを守るために自ら下げてしまったのです。
「1点を守って逃げ切る」狙いの采配でしたが——これが、裏目に出ます。
攻撃の起点を失ったオランダは、急にボールが回らなくなりました。
逆に勢いづいた日本が前へ前へと圧力をかけ続け、ついに終盤のコーナーを奪取。
そこから、鎌田の同点弾が生まれます。
守りに入った相手を、最後まで攻め続けて仕留める。
これぞ、土壇場に強い日本の真骨頂でした。
この「勝ち点1」をどう見るか
結論から言えば、上々のスタートです。
相手は、世界ランクでも格上のオランダ。
その相手に、アウェー(中立地)で二度追いつき、勝ち点1を持ち帰った。
決勝トーナメント進出を争ううえで、この1ポイントは決して小さくありません。
課題があるとすれば、警戒していたセットプレーで2失点に絡まれた守備の部分。
ここを締められれば、次戦はもっと面白くなります。
まとめ
- 初戦は優勝候補オランダと2-2のドロー(ダラス)
- 後半に4ゴールの打ち合い、二度追いついた粘り
- 久保が起点、鎌田が土壇場の同点弾(プレビュー的中)
- 流れを分けたのは、オランダの司令塔グラフェンベルフの交代(81分)
- カギは「リードされてから強くなる」したたかさと、後半の強さ
- 格上相手の勝ち点1は、上々のスタート
劇的なドローで、最高の幕開けとなった森保ジャパンです。
次戦は6月21日、チュニジア戦
勢いそのままに迎える第2戦の相手は、チュニジアです。
- 日時:6月21日(日)13:00〜(日本時間)
- 中継:地上波(日テレ系)+ DAZN で生中継の予定
チュニジアは、北アフリカの堅い守備を持ち味とするチームです。
2022年のカタール大会では、当時の優勝国フランスを破る金星も挙げており、決して侮れない相手。
引いて守ってくる相手を、いかにこじ開けるか——オランダ戦とは真逆の難しさが待っています。
とはいえ、ここで勝てば、決勝トーナメント進出が大きく近づく大事な一戦。
オランダ相手に見せたあの粘りと、久保・鎌田の決定力があれば、十分に勝機はあります。
なんとしても、今度は勝ち点3をつかみ取りたいところです。
次戦のプレビューや速報も、これから発信していきます。